ヤブコウジ(十両)
ヤブコウジは、赤い実を付ける
サクラソウ科の常緑低木です。
『万葉集』にも山橘(ヤマタチバナ)
の名で詠まれ、古くから日本人に
愛されてきた植物です。
江戸時代(寛政年間)には葉に斑が入る
ヤブコウジが好事家の間で人気を
呼び、多くの品種がつくられました。
十両という名前から万両や千両と共に
お正月の縁起物として扱われています。
日陰や寒さにも強く、栽培もしやすい
ヤブコウジは、寄せ植えなどの観葉
植物として、また盆栽鉢に植えて古典
園芸植物などのように、さまざまな
スタイルで楽しむことができます。
あしひきの 山橘の 色に出でよ
語らひ継ぎて 逢ふこともあらむ
万葉集 巻四(六六九)
器 : 染付銀彩格子 盆器