紫式部(ムラサキシキブ)
しののめの 空霧りわたり いつしかと
秋のけしきに 世はなりにけり (紫式部/玉葉449)
この時期、工房の林縁や明るい林の中で鮮やかな赤紫色の
小さな果実が目立つようになります。ムラサキシキブです。
日本、中国、台湾、朝鮮半島に分布する落葉性の低木で、
樹高は2m~3mに。9~11月上旬に、球形の宝石なような
果実をタワワにつけます。
江戸時代までは、「紫式部(ムラサキシキブ)}の名はなく、
「みむらさき(実紫)」「たまむらさき(玉紫)」と呼ばれて
いました。江戸時代の植木屋がその美しさから、平安の
女流作家『紫式部』になぞらえて付けたといわれます。
紫式部は英名Japanese beauty berry(日本の美しい果実)
とも呼ばれ、海外にも紹介される人気のある花木です。
花期は初夏から夏(6 ~ 7月ごろ)。対になって葉腋から
集散花序を出して、小さな淡紫色の花が咲きます。
シロシキブとよばれる白実のものもあります。